今日は女と男の駆け引きの日。
Sweet wine
1ヶ月前に贈ったものに男がどう応えてくるか。
意外とあっさり終わっちゃう駆け引きもあるけれど
女にとっては密かな楽しみなの。
もちろんあたしにとっても。
1ヶ月前に彼に贈ったDry wineに彼がどう応えてくるか。
単純バカな彼にはその意味がわからないかもしれない。
だけど彼は駆け引きに負けたことはないから・・・
司の帰りを待っているとなぜだかゾロゾロと来客。
アポなしでやってくる客は決まっている。
「よぉ!!1ヶ月間ずっと泣いてたか?」
西門さんがあたしの髪の毛をくしゃくしゃっとした。
「言ってくれれば俺がちゃんと慰めてあげたのに。」
美作さんもあたしの髪の毛をくしゃくしゃっとする。
この2人最近あたしを子供扱いするのよね!!やんなっちゃう!!
「そんなわけないよぉ!だって毎週のように滋ちゃんと桜子が遊びに行ってたもんね!」
そうそう、寂しいな〜って思った時にいっつも来てくれたのが滋さんと桜子。
言わなくてもわかってる感じですごくうれしかった。
まぁ遊園地とかショッピングとか尋常じゃなくて大変だったけどさ・・・
「うちにこればよかったのに。」
くしゃくしゃにされたあたしの髪の毛を優しく直しながら言う花沢類。
花沢類まで子供扱いするの?!!
訝しげに花沢類を見ると天使の微笑みを返されて思わず顔が赤くなった。
「ホントお前は類と俺らの態度がちがうよなー。」
そんなことない!っと否定していたら、桜子が余計なことを言い出した。
「それより!ちゃんとワイン贈ったんですよね?」
桜子が小悪魔的な微笑みを浮かべて聞いてくる。
うわっちょっとみんながいる前で言わないでよ!!
案の定ニヤニヤするF2。
「へ〜。ホワイトデーにはもっと甘くってことね〜。」
「やるね〜つくしちゃんも。」
「そっそんなこと誰も言ってない!!つくしちゃんって言わないで!」
なんでそんなすぐにわかっちゃうのよ!!
恐るべしF2!!
ってなんだかさっきからおかしい!!!
あたしの両隣には西門さんと美作さんが座っていて、
さっきからずっとあたしの少し伸びた髪の毛をいじっている。
そしてもう一人・・・あたしの後ろからいじってくる花沢類。
何?!なんだかゾクゾクしてこわいんだけど!!
あたしはたまらなくなって立ち上がり、顔を真っ赤にして叫んだ。
「さっきからなんなの?!あっあんた達ちょっと変だよ!!」
あたしの言葉に西門さんが笑っていう。
「だってお前からバレンタインデーにワインもらったから。」
・・・はて?あたしはあげた覚えはないんだけど?!
「そうそう。桜子がお前からって言ってワインをくれたからさ。
だから今日はそのお返し。存分にかわいがってやるよ。」
そう言って、F2は再びあたしを座らせてすっごい至近距離にくる。
「ぎゃ〜〜〜〜〜!!!」
あたしは叫びながら桜子を見ると、とっても涼しそうな顔をしていた。
「だって先輩に私のバレンタインデーを献上したんですから、
これぐらいおもしろいことがないとね〜。」
この小悪魔〜〜〜〜〜!!!!
結局F2から両頬にキスをうけ、花沢類からは唇ギリギリのところにキスされた。
ゴトッ・・・
・・・ホントにタイミングの悪い男だな〜・・・
ってこんなこと考える前に何か他に考えなくちゃ!!
この目の前に立っている男をなだめる方法を!!!
「・・・ずいぶん盛り上がってるじゃねぇーか。
1ヶ月ぶりに帰ってきたら自分の妻が他の男達にキスされてるとはな〜。」
1ヶ月ずっと会いたくてたまらなかった人だけど、
今は会いたくなかったなぁ〜・・・
「おっ司!!早かったじゃねーか。つくしちゃんが寂しがってたから
なぐさめてただけだぞ。怒るな怒るな。さ〜てと、そろそろ帰るかな。」
西門さん達は巻き込まれる前に帰ろうとしている。
全部あたしに押し付けるなんて卑怯だぁ〜〜〜!!!
「総二郎、あきら、類・・・てめぇらぶっ殺す!!!」
司は逃がさんとばかりに飛びかかってきたが、なんとか振り切って帰ってしまった。
帰っていく時の桜子の顔・・・
小悪魔の微笑みを浮かべて
「先輩〜!御愁傷様です〜〜!!」
そう言って帰っていった・・・
絶対にここまで計算してたわ!!!
覚えてろぉ〜〜〜〜〜!!!!
「誰に覚えてろだって?!覚えたくなくても目に焼き付いてるぞ!」
「ぎゃっ!!!ちっちがうわよ!桜子のことよ!
ちょっと落ち着いてよ。だってあれは不可抗力・・・いたっ・・・」
両頬をぐい〜っとひっぱられた。
「隙がありすぎるお前も悪い。ったく!!鈍感で隙もあってこんなに危ない女はいねぇな。」
鈍感はちょっとだけ・・・ちょっとだけなら認めるけど隙なんかないわよ!!
「せっかくお土産買ってきてやったのによ。」
「お土産?」
すると司は持っていたものをテーブルの上にゴトっと置いた。
「・・・ワイン?・・・甘口?」
「あぁ。お前は辛口のワイン送ってくれたけどお前甘口のほうが好きだろ?」
・・・やっぱりバカには意味がわかんない?!
いや、sweetなものを望んだけれども、「モノ」がほしかったわけじゃなくて
そのぉ〜・・・ねぇ?!1ヶ月離れてた分のあっ愛が・・・ねぇ?!
うわっ恥ずかし!!って誰に言ってんだあたしは。
あたしが1人で照れたり焦ったりしてるのを訝しげに司は見ていたが、
急にあたしの腕をとってバスルームに向かう。
「ちょっちょっと?!何々?!」
わけがわからないので抵抗するがあっさりと服を脱がされて一緒にお風呂に入れられた。
「へんた〜〜い!!!スケベ〜〜〜!!!離せぇ〜〜〜!!!」
司が後ろからあたしを抱きしめて離さない。
一通り抵抗してみたが、鎖のような頑丈な腕は離れなかった。
あきらめて司に体をあずけていると司はうなじにキスをしはじめた。
「うぎゃっ!!ちょっとここお風呂なんだけど!!」
「何言ってんだよ。お前が望んだんだろ。」
「誰も望んでない!!!」
すると司が意地悪そうに笑う。
「俺に辛口のワインを渡したのはもっと甘くしろってことだろ。
素直じゃないお前の考えそうなことだよな。」
えっ・・・わかってくれてる?!
「俺からのホワイトデーのお返しはさっきの甘口のワイン。甘くしてやるって意味だ。」
あたしが驚いてると軽くキスをしてきた。
「夜は長いし、かなり甘〜くしてやるよ。」
今年のあたし達の駆け引きは成立。
今度はどんな駆け引きにしようかな・・・
今日の夜よりもっとSweetなものをもらうために、
今度はもっとDryなものを選ばないとね。
すべては彼の愛を独占するために・・・。
翌日、F3からSweet wineが届いた。
それを見て司は激怒。
その日も甘〜い夜になったことは言うまでもない。
その時ふと頭に思い浮かんだのは桜子の小悪魔な微笑み。
「先輩!桜子からのホワイトデーのお返しは、道明寺さんの激しすぎる愛ですわ!!」
〜Fin〜
あとがき。
あぁ。。。これはWD企画で献上させていただいたお話です。
もうこれホントにVDと対になってるの?!って感じですね。。。アセアセ。
かなり無理矢理作った感が溢れ出てる作品です。爆”
ここまできたらしょうがないとしか言いようがないっすよ。←何様?!
もう自分の文才のなさに泣けてくるよぉ〜〜〜〜!!!
NOVEL