vol.28

みんなが何も言わないので首をかしげて不思議そうな顔をするつくし。


「お前すげーよホント。静や司のねぇちゃんにも劣んねぇよ。」


「あぁ、それで初めて会ってたら間違いなく惚れてたな。」



総二郎とあきらに褒められて、少し赤くなるつくし。



「つくしぃ〜〜すっごい綺麗!!女でも惚れちゃうよぉ〜!!!」


「先輩、くやしいけどとても綺麗です。まぁ着てるものがいいんですけどね。」



「桜子、あんた一言多いのよ。」



みんなから褒められて照れているつくしだが、


一番見てもらいたい人である司が何もいわないのでちょっと不安になっていた。


しかし司が小さく呟いた。



「すげぇ綺麗だ・・・誰よりも・・・」




みんながこいつを見てる。


俺のモノだって言って自慢してぇけど自分の中に閉じ込めてしまいたい。


誰にもとられないように・・・。



俺の言葉に頬を染めるお前が愛おしい。



けど類と恋人のように登場したお前が憎い。



お前のすべては俺のモノなんだよ。



だけど余裕のない男に見られたくはないから心の中にしまっておくんだ。





「さて姫、踊りますか!どうぞ。」


美作さんがダンスに誘って来た。



「ねぇ、みんなの視線が刺さる・・・やっぱりF4はどこ行っても注目の的よね。」


ダンスの最中にちょっと顔をしかめて言うつくしにあきらは苦笑。



「お前はホント自分をわかってねぇっつーか、鈍感だよな。

 まぁ俺らも注目されてるけど今日の注目は確実にお前だよ。」


えぇっと驚くつくしに再び苦笑しながら総二郎ニチェンジ。




「お前いつの間にそんな胸デカくなったんだよ?!

 っと言っても前がなさすぎたからそれが普通なんだけどよ。」



「なっなんてこと言うのよ?!!スケベ!!!」



総二郎の発言にギャーギャー言ってると次は類にチェンジ。




つくしは類はダンスなんてしないだろうと思っていたので驚いたが、


類が牧野とは踊るよと言ったので、真っ赤になってしまった。








vol.29

「なんか類君とつくしとってもいい雰囲気じゃなぁ〜い?!いいのぉ〜?!」



滋がつくしと類の踊っている姿を見て言う。




いいわけねぇだろ!!!




「ホント、先輩も顔赤いし。大丈夫ですか?!」




大丈夫なわけねぇだろ!!!




「まぁ周りの奴らはたぶん2人がデキてると思うな。」




「デキてたりして?!」




ガタン!!



急に司がイスから立ち上がって類とつくしのほうへ行く。



F2はその様子をニヤニヤ見ていて、滋はなぜかファイティングポーズ、桜子はあきれながら見ていた。




青筋をたてながらズンズンとこっちへ来るのに気がつくと、


類が笑いながら、


「強制的に交代みたい」


と言って司にかわった。





つくしはなぜ司が怒ってるのかわからなかったが、急に腰を引き寄せられて顔を赤くすると、


「そんな顔俺以外にみせんな!!」


と言われてヤキモチに気がつく。




「・・・ダンス上手なんだね。」



話題をなんとか変えようとするつくし。



「あたり前だろ。俺は何でもできんだよ!」



「・・・日本語できないくせに・・・」



「・・・何か言ったか?!」




都合の悪いことは聞こえないフリするつもりね・・・まったく!!




「そうだ、あたし明日引っ越すの。」


「は?!何で?どこに?」


「この家から会社通うとバレちゃうからだよ。たしか司の家に近かった気がする。

 でも入り浸らないでよぉ〜!引っ越しする意味なくなっちゃうんだから。」



「別にいいじゃねぇか。合鍵ちゃんと渡せよ。一緒に入らなけりゃバレねーよ。」



はぁ・・・こいつ全然そういうのわかってない。



やっぱバカだわ・・・









ダンスをした後みんなはいろんな人に挨拶をしに行った。


あたしもいろんな人から挨拶をされたり、一番心配だったスピーチもなんとかこなして、


疲れたのであまり人気のないテラスで1人休んでいた。



これからこういう場にでなくちゃいけないと考えると、やっぱりため息が出る。



やっぱりあたしには向いてないのかも・・・でもこれが司達のいる世界だから・・・


がんばれ、あたし!!!





すると急に入り口のほうが騒がしくなった。


F4がなんかしたかと思い、その方向を見るが人がたくさんいすぎて見えない。



まぁあたしには関係ないわと思っていたらふいに、


「つくし!!!」って呼ばれた。








vol.30

振り返るとそこには聖。


あたしは聖のほうへ駆け寄って行くと、聖はあたしを思いっきり抱きしめた。



「聖お帰り!!遅かったね。」



聖はつくしの両頬にキスをするとつくしに微笑む。



「ただいま。つくし誕生日おめでとう!!ちょっと仕事で遅くなった。

 ごめんな。でもプレゼントはたくさん買って来たからさ。

 後でお前の部屋に持ってくから。今日のドレスすげぇ似合ってる。・・・何かあったのか?」



「えっなんで?!」



「・・・なんかすげぇ輝いてるから・・・心の底から笑ってるって感じ。イイ事でもあった?」





・・・そんなに前ひどかったのかな。



でも今すごい幸せなのは確かだし。




すると聖の後ろから低くうなるような声が聞こえた。



「初めまして。」



誰かと思って振り返ってみると、聖は驚きを隠せなかった。




「初めまして、道明寺司です。」





なんでここに道明寺司がいるんだ・・・?!!ありえねぇだろ。



・・・そうか・・・だからつくしの顔つきがかわってたのか・・・



やっぱりつくしにはお前なのか・・・?!



けど・・・あれだけつくしを苦しめたんだ。



今さらお前に渡すつもりはない!!





「・・・こちらこそ初めまして、宮川聖です。道明寺さんのお噂はかねがね・・・。

 今日はつくしのためにわざわざありがとうございます。ゆっくりしていってください。」



そう言いながらもお互い敵視していた。








「あちゃぁ〜ついに出たよ、宮川聖!司やばいね〜今にもキレそう。」


「よしっ司やっちゃえ〜!!」


「滋・・・お前なんかちがうから・・・」



遠くから見守っていた総二郎達はついに会っちまったかと心配そうにつくし達を見ていた。




「・・・かっこいい・・・」





ん?!




一斉に声の主の方を総二郎達が振り返る。





「・・・すごくかっこいい・・・長身に整った顔立ち、宮川財閥副社長で仕事の鬼・・・すべてそろってる。」



「さっ桜子?!まさかお前・・・?!」





「三条桜子、恋しました。」






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