ロスに着くやいなやお姉さん・・・いや、お義姉さんにおもいっきり抱きしめられた。
独占欲・後編
「つくしちゃん!!!本当にごめんね!!
あんのバカ!!誤解をまねくようなことして!!」
「・・・いっ・・・いいえ・・・それよ・・り、ぐる・・・ぢい・・・」
またやっちゃったわと言って抱きしめる力を緩めたが、離そうとはしなかった。
この腕は司と似てる・・・すごくあったかくて心地がいい。
でもその腕は他の人のものになっちゃうの・・・?!
お義姉さんはそんなあたしの気持ちを察したのか、背中をさすってくれた。
「つくしちゃん、あんなバカでもつくしちゃんを悲しませるようなことはしないと思うわ。
あのバカにはあなただけなの。お願い、信じてあげてちょうだい。」
あたしだって信じたい・・・だけど今の合同プロジェクトが始まってからの司の行動の変化、
そして今回の記事・・・いくら鈍感なあたしでも、この二つのことが関連してるってことぐらいわかるよ。
あたしはお義姉さんの家のゲストルームに通されて、少し休むよう言われた。
けれど眠ることなんてできなくて、窓の側のイスに座り、心ここに有らずといった感じで
ずっと空を眺めていた。
何時間たっただろうか・・・空が薄暗くなってきた頃、急に後ろから抱きしめられた。
この腕の心地は・・・
「つくし・・・」
その瞬間涙腺がゆるむ。
やだ・・・あたしよりあの美人社員のほうがいいくせに・・・
「離してよ。あんたとなんて別れてやるんだから。」
「お前何言ってんだよ?!まさか俺を疑ってんじゃねぇだろうなぁ?!」
司はあたしを立ち上がらせ正面をむかせると、あたしを射抜かんばかりに見つめる。
「だって・・・最近ずっと行動が変だもん・・・あたしとは別の部屋で寝るし、
仕事を行く前にキッキスとかしなくなったし・・・それであの記事。
疑うなって言うほうが無理よ!あの写真だって2人で楽しそうに食事してたじゃない!!」
「・・・じゃぁお前と類はどーなんだよ。2人で会って、あの写真はなんだよ?!」
・・・あたしと花沢類の関係を疑うの・・・?!
「あたしと花沢類が友達だってゆーのは司が一番よく知ってるじゃない!!
あの日だってたまたま会っただけだし、あの写真だってあんなきわどく撮られてるけど、
別にやましいことはしてない!!!」
すると司はあたしの涙を指でぬぐう。
「わかってる。お前と類が友達だってことはちゃんとわかってる。疑ってねぇよ。
ただお前が俺を疑ってんのがちょっとショックで言ってみただけだ。」
そして司はあたしを抱きしめた。
あたしが世界で一番大事とでも言うように・・・優しく・・・
「あの社員と食事をいたのは事実だ。」
覚悟をしてたのに、本人から言われるとショックが大きい・・・。
「けど、やましいことなんて何もない。食事に誘われて、本当は行きたくなかったけど、
プロジェクトの一員だし、仕事のことで話があるって言われたから行った。
そこでお互いのパートナーの話になって、あの社員がダンナが遅くに帰ってきて
夜起こされるのはイヤだとか、行く前のキスは新婚時代だけで、
そのあとはもうしたくないとか言うからよ、もしかしたらお前もそう思ってんじゃねーのかなと思って、
やらなかったんだよ。だから俺は浮気なんかしてねぇし、これからもそんなことしねぇよ。」
・・・めずらしく気を使うから誤解するんじゃない・・・
変なとこで頭を使うなバカ!!!
だけど本当にホっとした・・・もう絶対そんなことしないでよね・・・
「あんた、どれだけ不安にさせたと思ってんの?!責任とりなさいよね。」
強がりな言葉とは反対に、司の背中に手をまわし、ぎゅっと抱きしめる。
「もう今回の仕事は終わらせてきたからもうあの社員とは会わねぇよ。
あと、お前が起こすなって言っても俺は一緒のベッドで寝るからな。
誰の前であろうと仕事に行く前はキスするからな。
うちのつくしちゃんはキスしてもらいてぇみたいだし。」
・・・ん?ちょっとちょっと、あたしがいつそんなことを・・・
「あっあたしは別にキスしてもらいたいなんて一言・・・」
その後の言葉はキスによって遮られる。
「だめだ・・・こんだけじゃ今までしてなかった分に足りねぇよ。」
次の日、あたしと司は日本に戻った。
SPからの報告では、空港の到着ゲートにはたくさんの報道陣がいるらしい。
なんであたしもテレビに写らないといけないのよとブツブツ言っていると、
司が手を差し出して行くぞと言った。
あたしは手はつながずに腕をからませた。
見せつけたいのよ。
あたしは司しか愛していないことを。
そして彼もあたししか愛していないことを。
司は少し驚いていたけど、うれしそうに微笑むとあたしの歩調に合わせて歩き出した。
到着ゲートには予想以上の報道陣の数。
どうやってフライトの時間とか調べたのよと思いながら、顔を伏せて早足で歩く。
時々記者の人の声が聞こえる。
「仲直りされたんですか?!」
「美人社員の方とはどうなったんですか?!」
何も答えないかわりにあたしはからませている腕の力を強くした。
すると突然司が止まる。
「見せつけるならこっちだろ。」
次の瞬間あたし達は大勢の報道陣の前で熱いキスをした。
〜Fin〜
あとがき。
えーっと・・・これは司くんBirthdayのためのお話なのですが・・・
どこがお誕生日なの?!って感じですね。。。汗”
とっとりあえず司くんへのプレゼントはつくしちゃんの独占欲ってことで。←苦し紛れ。
てゆーか前編・後編にする必要があったのだろうか。。。まぁこれも管理人の興味本位でございます。
どうぞ優しい心でお読みくださいませ。汗”m(_ _)m
なにはともあれ、司くんお誕生日おめでとぉ〜〜!!!(^^)
これからも愛しておりますよぉ〜〜♪♪笑”
NOVEL 前編